かさい歯科マガジン-2022年9月15日号 顎関節症

  • 顎関節症食事中にあごがカクカク鳴る、口が大きく開かない、あごが痛むなどの症状はありませんか?
    顎関節症は、あごの関節やそれを支える筋肉の緊張・過負担によって引き起こされるさまざまな症状の総称です。

    およそ2人に1人が経験するありふれた病気で、大半は時間の経過とともに自然に症状がやわらいでいくため、開口障害による食事困難などで医療機関を受診するほど症状が重くなる人は5%程度です。

  • あごのつくりとしくみ

    口は縦方向だけではなく左右に揺らすなど、複雑に動かすことができます。そのしくみはいったいどうなっているのでしょう。

    口を大きく開けるとき、下あごの骨の先端(下顎頭)が、頭蓋骨の下側にあるくぼみ(下顎窩)から前方に滑り出す構造になっています。
    このとき、骨のスムーズな動きを助けているのが関節円板という弾力性のある組織です。
    この関節円板が骨と骨とがこすれ合わないように滑りをよくしてくれるので、前方へ滑り出した下あごの骨がスムーズにまたもとの位置へ戻ることができるしくみになっているのです。

    顎のつくりとしくみ
  • 顎関節症とは?

    顎関節症はさまざまな要因が重なりあって引き起こされます。
    ここ数年はコロナ禍により、私たちはさまざまな制約やストレスを受け続けています。
    ストレスによる緊張や食いしばり、歯ぎしり、食事中に左右一方でばかり噛む、うつぶせ寝、ほお杖、悪い姿勢からくる骨格の歪みなど多岐にわたります。

    そして、顎関節症は男性に比べて圧倒的に女性に多いという特徴があります。
    治療を受けている人の割合では、女性の患者は男性の2~3倍ともいわれています。

    顎関節症のしくみ
  • 顎関節症の症状顎が痛い女性

    ① あごが痛む(顎関節痛・咀嚼筋痛)

    食べ物を咀嚼したときや笑ったときに、こめかみや顎関節、周辺のほおに痛みが出ます。
    あごの動きに関係なく痛みが出る場合は、他の病気の可能性も。

     

    ② 口が開かない(開口障害)

    口を開けて指三本を縦にして口の中へ入れてみましょう。
    指が入らない場合は開口障害の可能性があります。朝起きたらいきなり口が開かなくなったなどの突然起こる場合や、徐々に口が開かなくなる場合などがあります。

     顎がミシミシする

    ③ あごを動かすと音がする(関節雑音)

    あごを動かすと、耳のあたりで「カクカク」「ミシミシ」といった音がする。痛みはなく、音のみの場合は顎関節症予備軍です。

     

    ④ 咬み合わせに違和感がある

    顎関節や筋肉に異常があると、咬み合わせに変化が生じる場合があります。
    急に咬み合わせに違和感を感じたら顎関節症の疑いがあります。

    これらの症状が気になる場合、まずはかかりつけの歯科医院で相談しましょう。

  • 顎関節症の予防

    ● バランスのいい食事を、よく噛んで食べる
    顎関節症は生活習慣が原因となることもあります。
    柔らかいものばかり食べず、バランスのいい食事をよく噛んで食べることで、あごの筋肉も鍛えられます。

    片側ばかりで噛まず、左右両方の歯でバランスよく噛むようにしましょう。

    ● 悪い癖をなおす
    ほお杖、猫背、うつぶせ寝などは体全体の骨格を崩してしまいます。
    骨格がゆがむと筋肉が緊張して姿勢を支えようとするため、血行不良となり体にさまざまな障害を引き起こします。
    悪い癖は意識して早めになおしましょう。

    ● リラックス
    歯ぎしりや食いしばりはストレスが原因となっている場合が多いです。
    音楽を聞いたり、ゆったり入浴をするなど、自分に合ったストレス解消法を見つけましょう。

    ウォーキングや水泳などの全身運動も気分転換や基礎体力作りになります。